肩こりと一言でいっても、その原因はさまざまです。ここでは、肩こりの症状やその原因についてお伝えします。
肩こりとは?
皆さんは、そもそも「肩こり」とは何かを知っていますか?
「肩こり」とは、主に首や肩から背中にかけての筋肉が硬直することで感じる、さまざまな不快症状のことを言います。
筋肉がこわばると、身体の血の巡りが悪くなり、老廃物が溜まりやすくなります。
肩に限らず、首・背中・頭を支えている筋肉のうち、どこかが凝っている状態を、総じて「肩こり」といいます。
肩こりには自覚症状が有るものと無いものが存在する
肩こりは、必ずしも自覚症状があるとは限りません。
肩を触ってもそこまで硬く無いけれど「何だか肩がだるいな」と感じる人。
筋肉は凝っているのに、自覚がない人。
肩こりの自覚症状には個人差があり、それだけに伝わりにくく厄介なものです。
その反面、しっかり治療することで、改善していけるのが「肩こり」なのです。
日本人は肩こりになりやすい
実は、日本人は肩こりで悩んでいる人口が、最も多い国です。
低年齢化も進んでおり、20歳で既に肩こりに悩んでいる人は多く、日本人の代表的な身体の不調症状のひとつとなっています。
その原因として挙げられるのが、日本人の体型です。
日本人は、特になで肩の人が多く、欧米人と比べ、華奢で筋肉量が少ないと言われています。
なで肩の人は、腕から下の重みが肩にかかりやすく、その分、首から肩甲骨の筋肉への負荷が大きくなります。
もともと少ない筋肉で頭を支えている上に、腕から下の重さも加わると、首や肩周りの筋肉に力が入った状態が続いてしまいます。
そこに疲労物質が溜まっていくことで、肩こりになりやすいと考えられています。
肩こりの症状とは?
肩こりの症状や感じ方は、人それぞれです。
代表的な肩こりの症状では、「肩がだるい」「しんどい」「頭や首の付け根が痛い」など。
その他にも、首や肩が不快でいつも首をポキっと鳴らしたり、回したりしないと何だか不快感が解消されないという人もいます。
また、頭を左右に振る事が出来ない、腕を上下しづらいなども、肩こりの症状のひとつです。
肩こり悪化が身体に及ぼす影響
肩こりの症状が悪化してくると、目まいや頭痛がしてくるケースもあります。
なかには、手足のしびれを感じることも…
年齢と共に起こる五十肩や四十肩の症状も、さらに悪化して完全に腕が上がらない状態になったり、心臓近くが痛むことあります。
肩こりは放置しておくと、身体全体に不調が生じてくることもあるため、早めに対処して予防することが大切です。
肩こりの原因とは?
体型や姿勢によるもの
体型
私達人間の頭の重さは体重の約8%、50kgの人だと約4kgということになります。
そのため、首が細ければ細いほど、頭を支える首の筋肉にも負担がかかります。
一方、太っている人も肩こりになりやすい傾向があります。
太ると重くなった脂肪の分だけ、筋肉への負担が増えます。そのことで、筋肉の緊張状態が続き、凝り固まり、肩こりが慢性化してしまうからです。
姿勢
姿勢の悪さも、肩こりの大きな要因となります。
特に、猫背の人は首の重心が前に行き、その分、頭を支えている肩や首に負担が大きくかかってしまいます。
また、デスクワークでいつも同じ姿勢でいる人、足を組む癖がある、歩き方がおかしいなど。
さまざまな生活習慣が、肩こりを引き起こす原因となっています。
自分の生活環境
生活環境によっても、肩こりの症状は発症します。
例えば、普段からデスクワークをする人は、一日中パソコン画面を見るので目に疲れが出てきます。
目の疲れは、頭や首にも影響して、肩こりの原因にも繋がります。
また、不規則な生活スタイルの人も、自律神経が乱れることで、肩こりを誘発します。
喫煙もニコチンによって、血管収縮作用が働き、血流の流れが悪くなることで、知らないうちに肩こりの症状が出ている人も少なくありません。
病気が原因で発症している
肩こりは、肺がん、心臓病、腎臓病、膵臓関係、肝臓関係、子宮関係など、病気の症状の一つとして表れることもあります。
肩こりの他にも違和感のある症状がある場合は、一度病院で検査してみることが大切です。
代表的な肩こりのタイプとは?
「肩こり」は、身体に現れる症状は同じであっても、その原因はさまざま。
ここでは、代表的な肩こりをタイプ別にわけて、ご紹介します。
血行不良タイプ
肩の筋肉への負担により、硬くなることで血管を圧迫し、血行不良となるタイプ。
これは、重量のある荷物を運ぶ作業や、長時間ずっと同じ姿勢のまま作業を続けた時などに生じます。
一部の筋肉だけを集中的に長時間使い続ける状況は、血行不良を悪化させ、症状を悪化させます。
この場合、血行の循環を改善させることが、症状緩和に繋がっていきます。
骨のトラブルによるもの
肩こりの原因が、骨のトラブルによるタイプもあります。
主に首の骨や頚椎(けいつい)に疾患がある際、むち打ち、頚椎の変形、頸部(けいぶ)の椎間板ヘルニアにより、肩こりを引き起こすことがあります。
このような骨のトラブルが生じている場合には、しっかり完治するまで治療していくことが大切です。
精神的なストレス
肩こりになるような原因が思い当たらないのにも関わらず、症状がある場合は、精神的なストレスを疑ってみましょう。
仕事、家事、育児、人間関係…
血流を悪化させる原因は、普段の生活の中に隠れています。
ストレスは、気づかないうちに血流を悪化させ、いつの間にか、ひどい肩こりに悩まされることもあります。